月の花弁
そういえば幼い頃も「かくれんぼ」の次元が違ったよな。
隠れたらまっすぐ走って見つけに来るくせに、
隠れさせたら降参って言うまでか、
あまりの退屈さに寝た後、木とかから落ちてくるまで見つけられなかっ…
「はぁ」
え、頭上からため息?
反射的に振り返ると、ため息の犯人とバッチリ目があってしまった。
‼︎
「ユリ⁈」
ユリは少し目を見開いた後、ストッと俺の前に飛び降りた。
ユリにしては珍しく黙っている。