月の花弁
俺は知ってる。寂しい時、傷ついた時、自分の体温だけじゃ、どんどん冷えていく。
「気にするな。俺は二歳の時ちゃんとアズサ様と、お前がユイ様から生まれてくるのを見たからな。」
そう言って手を綺麗な銀髪に乗せる。
正直振り払われると思ったが、ユリは目をそらせたまま、
心なしか一回の瞬きをすこし長くして
「ありがと」
と一言言った。
あまりにも素直だから思わず
「もしかして寝ぼけてる?」
「……それ、どういう意味?」
黄緑色の宝石が埋まっている綺麗に整った顔を少し歪める。
俺は笑って誤魔化す。
「はっきり言いなさいよ!」
「気にするな。俺は二歳の時ちゃんとアズサ様と、お前がユイ様から生まれてくるのを見たからな。」
そう言って手を綺麗な銀髪に乗せる。
正直振り払われると思ったが、ユリは目をそらせたまま、
心なしか一回の瞬きをすこし長くして
「ありがと」
と一言言った。
あまりにも素直だから思わず
「もしかして寝ぼけてる?」
「……それ、どういう意味?」
黄緑色の宝石が埋まっている綺麗に整った顔を少し歪める。
俺は笑って誤魔化す。
「はっきり言いなさいよ!」