月の花弁




氷のバラに付いていた、





水蒸気が氷のバラのせいで水になった水を




手でそっと触れてみた。








使い魔の目の前なのに





随分とひどい、余裕のない顔かもしれない。





「綺麗だったのに、

溶けてしまいましたね…」





ずっと俯いていた俺に



美早がそうつぶやく。






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