Find Me
誰っ?
後ろを振り向くと、ちょっと不良っぽい20代ぐらいの男性が寒そうに、私の側に来てちゃっかり、私の隣に腰を下ろしていた。

突然に声を掛けられても、今は返答する気力がない。

しばらく私の様子を伺ったその男性が笑顔を私に向けて、からかった口調で私の頭をクシャッと撫でた。

「もしかして、図星ですか!!??それか、こんな怖いお兄さんに声掛けられて、怖くて声出ないとかっ!?大丈夫♪お兄さんはね、優しくて小心者の不良だから♪てか、こんなの不良って言わないか!!」


私が大好きな玲音と同じ事しないでよ…
何となく、玲音とその男性が重なる。
重ねたくないけど…


「私は大丈夫です。私が彼氏に最低な事しただけですから…」

私は強がった。
本当は弱いくせに強がっちゃって馬鹿な自分…


「俺は彼女に振られちゃったよぉ!!まっ、別いいけど…つか、ほら!立てよ!?」
そう言って男性は私の腕を無理矢理引っ張って、私を立たせると、手を引っ張って歩いかさせられた。


「ちょっ…ちょっと!何するんですか!!私、もう帰るんで…」

私の無駄な抵抗は効かず、男性の力に圧倒されてしまった。でも、不思議と不信な気持ちはなかった…

只、それは玲音の穴を埋めたいだけなのかも…







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