Find Me
寒空の下私と男性は真っ直ぐ行く当てもなく、街中に出た。

気付くと、私と男性はゲーセンに足を踏み入れていた。

「これ可愛い♪君っぽい♪取ってやるぅ!!」


男性はリボンを耳に着けたウサギを指差すと、急に真剣な表情になると難無く、ウサギの縫いぐるみを手に取り私に渡した。

「どーぞっ♪これ見て元気出しな!!」

「ありがと…」

私はウサギの縫いぐるみを大切に抱えた。


「これ、俺に似てね?」
男性はジャニーズのポスターを指差していた。

「似てないっ!!似てないからぁ♪」


「やっと、笑った顔見せてくれた♪そんな可愛い笑顔見せてくれるんだったら、俺、最初から元気になってたし!!」


「なっ…それは、私が元気なかったから…人は誰だって元気がないと笑わないよ…」


「そうかなぁ?俺はそう、思わないけど?俺、これでもヘコンでまあす♪てか、名前聞いてないじゃん!!俺は、春日 霧龍(かすが きりゅう)かっこいい名前だろ!?」


「馬鹿っ!!それ以上泣かせないでよ!やっと、泣きやんだんだから!!私は、桜井 姫音。」

私はまた一筋の涙が溢れ落ちた。


「泣き虫…てか、姫音って可愛い名前してんじゃん。顔もお姫様って顔してる。男は、誰でも守りたくなっちまう、顔付きしてんな♪」

そう言って、私の涙を優しく拭いてくれた。


「ワガママで自己中なお姫様ですけど?」


「そんなの承知の上ですぜっ♪てか、メアドとケー番交換しようぜっ♪辛くなったいつでもして来ぉい!!」

「うん…ありがと。」

私と霧龍はアドとケー番を交換して、ゲーセンを出た。






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