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私は静かに頷いた。

「そっか。でも話した方がスッキリするよ?」

「うん。話すから…あの時さぁ、実は私から、別れ話を持ち掛けたんだ。私は、馬鹿で自己中だから、人を傷付けてしまったの。彼氏の夢を応援してあげられないのって最低だよね…」


私は自然と涙が溢れ落ちた。それを見かねた霧龍は、優しく涙を拭った。


「泣き虫…まぁ今回は許してやるよ。いっぱい泣け!!知ってるか?泣くとストレス解消になるんだぞ?でも、もう涙見せないで…姫音は、笑ってた方が断然可愛いから…」


「そんな優しい言葉掛けないでよ…涙止まんなくなるじゃん…」

本当はいっぱい、いっぱい優しい言葉が欲しかった。
でも、素直になれないって馬鹿な自分…

霧龍は優しく頭をクシャッと撫でた。


「でも、彼氏の夢を応援してあげられなかった。って言うけどそれなりの、理由あんじゃねーの?」


「理由は……彼氏が隣県に行っちゃうから遠距離になっちゃうのが、私は嫌なの。後、自分の夢が無くて情けなくて…」


「姫音が遠距離嫌だって事は、姫音がそれぐらい彼氏の事を思ってるから。自分の夢かぁ…難題だな…」


私が、玲音を思ってるから?焼きもち?
もしかして、私が玲音を信用してないから、浮気の心配してんのかなぁ?


「今日の本題は自分の夢を知りたかった…まぁ相手に私の事なんて、分かんないと思うけど…」


「ば〜かっ!!俺は姫音の事よく知ってるぜ?いい事考えたぁ〜ッ♪来週の日曜空いてる?俺が姫音に合ってる事を見せてやる♪」


本当にっ?
私の夢が見付かるの?

私はパ〜ッと笑顔が急に戻り始めた。

「大丈夫♪私の夢が見付かるの!?行く、行くっ♪」


「やっと笑ってくれた…じゃあ日曜行こうな♪」


私は大きく頷いた。








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