キスより甘くささやいて

クリスマスプレゼント

12月に入ると、gâteauは大忙しだ。
明日はやっと月曜日でお休みなので、
私達は山猫に行くことにした。
山猫はクリスマスのディスプレーがされていて、赤と緑に彩られている。
ウキウキした雰囲気だ。
シルビアママは本日は真っ白なのバニーちゃんのコスプレ。
先週は確か雪だるまだった。
「トオル、なんでバニーなんだよ。」
と颯太は編みタイツ姿を見て、眉間のシワを深くする。
シルビアママはフワフワの尻尾をフリフリして、
「雪ウサギに決まってるじゃな〜い」と真っ赤な唇を突き出して、投げキッスをする。
私達は目を逸らしてから、カウンターに座った。
「ちょっと、反応薄いんですけど〜」
と、シルビアママは私達の横に仁王立ちだ。
シルビアママは
「美咲より似合うと思うんですけど。」
と颯太の眉間のシワを伸ばすようにおでこに触る。
「私は絶対そんな格好はしません!」
と私が不機嫌な顔を見せる。颯太が
「ちょっと、興味があるかも…」と私の顔を覗く。
絶対にそんな格好はしないし!シルビアママは
「貸してあげようか?でも、美咲じゃあ胸のところがスカスカかな?」と笑う。
相変わらず失礼なヤツだ。颯太は
「いや、これでもけっこうちゃんとあるんだよな」
と私を赤面させる言葉を呟いて、シルビアママの爆笑させた。
「すご〜く、上手くいってるみたいで安心ね。」と私の肩を突く。
「おかげさまで。」
と私は返事をしながら、ちょっとだけ、顔を曇らせた。
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