キスより甘くささやいて
颯太は
「ここから始めないと、ダメだろ。」と言って、私を抱き上げ、そっと、ベットに横たえる。
私の顔を覗き込み
「今すぐ、抱いちゃだめ?
俺はものすごく飢えたオオカミなんですけど、
出来るだけ、優しくするから。」と、服を脱がせにかかる。と、
「みさきい、俺を誘ってるだろ」
とわらって、ショッキングピンクのブラジャーの透けた色の濃い部分を口に含む。いや、
「ちっ、違う。この下着はトオルの趣味で…」
と言葉にするけど、甘い刺激で言葉が続かない。
私が小さく声を上げると、
颯太は急に真剣に私の瞳を見据え、
「…美咲が欲しい。」と言った。

私も颯太が欲しかったよと思い、
何度もうなずいて、颯太の首に腕を回した。
その後は、思う存分抱き合って、
ウトウトとして、また抱き合ってを繰り返し、
気がつくと、夕暮れになっていた。
私は何度ウトウト眠っても、颯太の腕の中にいて、
嬉しくて、
やっと、颯太が帰ってきたんだって理解できてきた。

颯太も少し、落ち着いたみたいで、ゆっくりと私を抱きしめる。
飢えたオオカミはおさまってきたかな?
まあ、優しく抱き合うってわけじゃなかったですけど、
もちろん構わないですよ。
私の身体にも、颯太の身体にも
お互いに夢中になった印が山ほど付いている。
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