キスより甘くささやいて
無事、横を通り過ぎ、2、3段降りたところで、急に振り返る。
なに?
「山内美咲?」とフルネームで呼ぶ。
「へ?」
「俺だよ。おれ。」オレオレ詐欺ってわけじゃないでしょうに。
「風間颯太(かざまそうた)。」かざま・そうた?
「ああ、!チビで、メガネの!?」
あっと、いま、失礼なことを言ってしまったよね。
と、颯太はみるみる眉間にシワを寄せ
「そう。ガリガリで真っ黒な美咲ちゃん」と言い返し、さらに、
「階段登りきれなくて、休憩してたんだろ。
いやー、体力落ちちゃってるんじゃないのぉ?」と口の端を上げる。
「ちょっと〜、あいかわらず、口が悪いんだなあ、
背は高くなっても、中身は子どものままなんじゃないの?」と私も言い返す。
「お前もあいかわらず、成長してないんじゃないの?」
と露骨に私の胸のあたりを見る。
カッと顔が赤くなる、
「このお!」と私が手を振り上げると、
「ミサキチが怒ったぁ〜、バーカ」
と走って階段を降りながら、ゲラゲラ笑いだす。
そして、振り返って、
「またな」
とニッコリして、ゆっくり階段を下りて行った。
「…変なヤツ。」
私もおかしくなって、クスクス笑う。
ミサキチって大昔のあだ名だし。
うーん、久しぶりに笑ったかも
なに?
「山内美咲?」とフルネームで呼ぶ。
「へ?」
「俺だよ。おれ。」オレオレ詐欺ってわけじゃないでしょうに。
「風間颯太(かざまそうた)。」かざま・そうた?
「ああ、!チビで、メガネの!?」
あっと、いま、失礼なことを言ってしまったよね。
と、颯太はみるみる眉間にシワを寄せ
「そう。ガリガリで真っ黒な美咲ちゃん」と言い返し、さらに、
「階段登りきれなくて、休憩してたんだろ。
いやー、体力落ちちゃってるんじゃないのぉ?」と口の端を上げる。
「ちょっと〜、あいかわらず、口が悪いんだなあ、
背は高くなっても、中身は子どものままなんじゃないの?」と私も言い返す。
「お前もあいかわらず、成長してないんじゃないの?」
と露骨に私の胸のあたりを見る。
カッと顔が赤くなる、
「このお!」と私が手を振り上げると、
「ミサキチが怒ったぁ〜、バーカ」
と走って階段を降りながら、ゲラゲラ笑いだす。
そして、振り返って、
「またな」
とニッコリして、ゆっくり階段を下りて行った。
「…変なヤツ。」
私もおかしくなって、クスクス笑う。
ミサキチって大昔のあだ名だし。
うーん、久しぶりに笑ったかも