キスより甘くささやいて
トオルはちょっと、悲しそうな顔をする。
「こんな私は友達じゃない?」と私に聞く。私は、
「まさか。
こんなに綺麗になっちゃったお友達にびっくりしているだけですよ。」
とゆっくり、笑顔を作る事が出来た。
うん。ここにいるのは私のクラスメートだ。
昔と変わらない声と話し方。
とやっと理解する。
トオルは直ぐに笑顔になって、
「ミサキチはあいかわらず、スッピン?
スタイルは結構良いけど、胸は私の勝ちね。」と言って、
颯太とカウンターの中にいるバーテンの男性をクスクス笑わせる。
一応お化粧も直してきてるんですけど!
「コラ、トオル。颯太と一緖で、口のの悪さがちっとも変わってないな。」
と嫌な顔をして見せると、
「昔、颯太はミサキチが好きだったから、
気を引きたかっただけでしょ。今も好きになっちゃったらしいし。」
とにっこりして、颯太の顔を真っ赤にさせた。
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