キスより甘くささやいて
その晩、私は山猫で颯太と待ち合わせをした。
メールで誘ったら、夜、20時に迎えに行くと返事が来てたけど、
先に行ってる。と返信した。
少し酔ってから、颯太に会いたい。
私は颯太の過去のオンナに少しだけやきもちを妬いている。
そんな自分が、恥ずかしくて、嫌になる。
でも、きっと、これは私が颯太を好きになってきているって事だな。と思う。
颯太の愛情表現はストレートで、私の心に真っ直ぐむかってきているけど、
私はまだ、人を好きになるのが怖い。
まだ、信じてた恋人の心が突然分からなくなってしまった。という事実が私を苦しめている。
いつ、彼の心のサインを見逃がしっちゃったんだろう。
彼が他の人と、婚約したいと思ったのはいつだったんだろう。
私は、1番大切な人を理解するチカラが足りない人間なんだろうか?そう思うと、
このまま、颯太の愛情を受け入れても、
また、失う日がくるんじゃないかと不安になってしまうのだ。

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