キスより甘くささやいて
正面のリビングと思われるドアを開けると、
正面は一面の窓で、真っ青な海が広がっていた。
スタイリッシュな黒い家具に白い壁。
絶対、颯太はお金持ちのボンボンだ。と唖然とするが、
こんな広い家に1人で住んでいるって思うとちょっと、寂しいかんじかな。
と颯太を見上げると、
私の表情を嬉しそうに見つめる、いつもの颯太の瞳にあった。
「生活感のない部屋で驚いた?
週に1回ハウスクリーニングに来てもらってるから、そんなに汚れてはいないと思う。」といい、
「俺は大体2階にいるんだ。2階もみる?」
と私の瞳を探る、
えーと、ベットのある部屋はもう少し後でいいかなと思い、
「キッチン、見せてください。」と言うと、大袈裟にがっかりして、
「なーんだ。」とリビングの奥に向かう。
キッチンも広く美しく整っていて、サイドの窓から日差しがたっぷり射し込んできそうだ。
「失礼します。」と調理器具の確認し、
作り付けの大きな冷蔵庫を指さすと、
颯太は目でどうぞと、頷いたので、ゆっくり開いたら、ケーキの材料ばかりだった。やれやれ、
「颯太、いつも、何食べてるの?」と聞くと、
「朝はほとんど、食べない。
野菜ジュースとクラッカーを食べる時もある。
昼はコンビニ。
夜は酒と、チーズとか、刺身とか、
腹が減ったら、外食かな。
まあ、店でケーキを食べるから、カロリーはたりてる。」と笑う。
「とりあえず、買い物行きたい」
と私が顔をしかめて言うと、承知しましたと笑う。
私達は颯太のお母さんのところに寄ってからスーパーに買い出しに行く事にした。
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