キスより甘くささやいて
「美咲、俺の部屋、初めてだよね。」と柔らかい声を出す。
颯太の部屋は紺色の家具が揃えられていて、壁紙も淡いブルーだ。
サッパリとした印象で、書き物机と椅子と本棚がおかれているだけだ。
窓際に置かれたセミダブル位のベットに横たえられる。
大きな窓は開け放たれ、レースのカーテンが揺れていて、波の音が聞こえる。
立ち上がればきっと真っ青な海がみえるはずだ。
明るくて、気持ちのいい部屋だと思うけど、
この状態は、明るすぎないかな。
颯太に服をアッサリ脱がされようとしている私は、急に恥ずかしくなる。
颯太は私の首筋に顔を埋めて、キスをしながら、
「美咲、フローラルな匂いがしてるけど、俺は美咲の匂いがいいな。」
と、文句を言う。
私は颯太の唇の熱さに、身体の奥が熱くなってしまう。
「お出かけ前のシャワーは女の子の常識ですけど…」
「ま、いっか。すぐに汗かくし。」
と独り言のように呟き、鎖骨を音を立てて、舐め上げる。
私の話は聞いてますか?
「颯太。お願い。カーテン閉めて。」と小さい声を出してみたけど、
「今、俺は忙しい。」
とワンピースをベットの下に落とし、キャミソールをまくりあげる。
「そっ、颯太。恥ずかしいから、カーテン閉めてください。」
と声を大きくしてみる。
颯太はキャミソールもベットの下に放り投げ、
ブラジャーのホックを外し、
ゆっくりと、片側を手のひらで撫でながら、私の顔を見て、
「美咲、外は海しかないから、誰にも見られないけど…」と眉間にシワを寄せ、
「まさか、俺に身体を見せずにsexできると思ってんのか?」と不機嫌な顔をする。
「あっ、明るすぎると思って…」と言い訳すると、
「そんなことはすぐにどーでもよくなるから、気にするな」
と眼鏡をベッドサイドテーブルの上にカチャンと置き、
胸のてっぺんに唇をつけた。
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