お姫様は愛され病。
先程から、ベッドにうつ伏せになりながらスマートホンをつける。

自分から意図して使うとは、親に緊急を要する時か、授業予定を全く知らない時くらいだ。

しかし今日は違う。


唯先輩から珍しくメールが来ていた。

唯先輩は明るくて、私が体調崩した時に車椅子を押してくれる、優しい人。

緊張しながらメールを見たが、先輩の優しさで安心した。


【かんなちゃんへ

こんな時間にメールなんかしてごめん。

それよりも今日、また過呼吸になったって本当⁉︎
智行に聞いたけど、俺、心配でたまらない。
明日、学校行けなさそう…だよな。
でも、明日は部活とか無いし見舞いに行くわ。


あ、嫌だったらバッサリ断って】

先輩が私のことを”かんなちゃん”って呼ぶのは私が言ったことを気遣ってくれたことがきっかけ。
私としては唯先輩に来てもらえるのがとても好き。
唯先輩といて悪い思い出は殆どなく、いつも心配してくれて、私を励ましてくれるから。


【唯先輩

メール有難う御座います。

今日も私なんかを気にかけてくださって本当に申し訳ないと思ってしまいます。


現在は安定していますが、今日のようにいつ頭痛になるか分からないので、明日は高等学園はお休みします。

明日は一日中、眠っていると思うので先輩が来てくれると嬉しいです。


おやすみなさい】

私はそれだけのメールを送信した。

そして、ご飯も食べずに私はそのまま眠りについた。


【おやすみ。かんなちゃん】

私の手元にあったスマートホンは、私が寝ている間にメールを受信していた。

朝見て、嬉しいと思ったのはまぎれもない本音。身体は重く、昨日何も食べていないことからあまり頭が回らない中でも明らかに思った。

それほど、先輩が来ることが楽しみだった。
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