愛す程、狂ってく
三、7年ぶりの再会と距離
願っていた再会
〈冬斗視点〉
中学校の制服を着てカバンを持って外に出る。
桜の花びらが鬱陶しい。
いつからだろう…
昔はそんな事思わなかったのに…
鬱陶しいとか面倒くさいとか疲れたとか……
…………………
??「冬斗!」
聞き覚えのあるようで…でも初めてのような…そんな声が俺を呼び止める。
声が聞えた後を振り返る。
??「久し振りだね。元気にしてた?」
そこに居たのは7年前に行ってしまった奴が居た。少し大人びてるけど…
冬斗「……夏希…?」
夏希「そうだよ。ごめんね、遅くなって…私ね、冬斗と同じ学校に通うの。よろしくね。」
……俺があの時言った言葉を忘れたのか…?
夏希「冬斗…?」
冬斗「……なんで…?」
夏希「え?」
冬斗「なんで俺に話しかけた?なんで近づいてくんの?なんで…なんで戻って来たの…!?……昔仲良かったから?やめろ…構うな!!離れろ!!あっちいけ!!」
夏希「………」
もう戻れない程狂っていた。
…もう此処には昔の俺は居ないんだ……
…夏希が大好きって言ってくれた俺はいないんだよ…………
……ゴメン…そう言いたいのに…………
夏希「冬斗に会いたかったから………………"ダイキライ"って言われたけど………私は好きで………会いたかったから………ッ………」
夏希の声が震えてく…………
夏希「ッごめんねっ…バイバイッ…………!!」
そう言って学校の方へ走って行った。
…夏希の前だけでも素直になれれば………
俺だって狂わなくてすんだんだ…
夏希を泣かせずにすんだんだ…
仲良かった昔に……戻れたんだ……
俺と夏希の間の歯車がどんどん狂ってく