愛す程、狂ってく

崩れる


朝が来て幼稚園に行き、夏希と遊び家に帰り公園へ行き、夏希と遊び、夜が来て家に帰り、寝る。そして朝…

それが俺の日常。ほとんど夏希と遊んでる。俺にとってそれは普通でずっとこうして居られると思っていた。


…なのに……



冬斗「…引っ越し?…」

夏希母「うん。引っ越しって言うか…北海道に居るおばあちゃん、足が悪くて…面倒見てくれる人が居ないから。パパは仕事があるから残るけど夏希はパパがお仕事中1人だし、おばあちゃんが会いたいって言うから…」



……納得できない。俺がなんて言おうと何も変わらないのは知っているが納得できなかった。



夏希「大丈夫だよ冬斗君。また会えるから。ね?」



少し曇った顔をした夏希が俺の手を握りながら言った。

大丈夫と言う本人は夏希の母が喋ってる時ずっと俯いていた。

夏希は優しい奴だからきっと足の悪いおばあちゃんに会いたいって言われたから行きたくないとは言えなかったんだろう。



冬斗「……やだ…………」

冬斗母「冬斗。あなたがワガママ言わないの。」

冬斗「…やだ…」

夏希母「冬斗君。大丈夫。行くまで何日かあるし、夏希はすぐ戻って来るから。その時は夏希とまた仲良くしてあげてね。」

冬斗「……」



何も言えなかった。

やっぱり自分がなんて言おうと変わらなくて、また会えると言われても、会えない気がして…

何も言えなかった。
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