能あるイケメンは羽目を外す
1、一晩の夢
結婚すれば幸せが必ず手に入ると思ってた。そう信じていた私はなんて馬鹿だったんだろう。
今日、私は世界一幸せな花嫁になるはずだった。
婚約者が結婚式をすっぽかしたりしなければ……。
☆
「こんな時間まで一人で飲んでるなんて危ないんじゃないかな?」
気づけばバーカウンターの隣の席に、彼はいた。
低くて響きのある魅力的な声。
薄明かりに照らされた端整な顔。
チラリと横目で彼の顔を見ると、私は自分のグラスに視線を戻した。
口説くために近づいて来たのか、それともお説教でもするつもりなのか……。
でも……お願いだから放っておいて欲しい。
酔って全てを忘れたいのだから……。
今日私の身に起こった全てを……。
今日、私は世界一幸せな花嫁になるはずだった。
婚約者が結婚式をすっぽかしたりしなければ……。
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「こんな時間まで一人で飲んでるなんて危ないんじゃないかな?」
気づけばバーカウンターの隣の席に、彼はいた。
低くて響きのある魅力的な声。
薄明かりに照らされた端整な顔。
チラリと横目で彼の顔を見ると、私は自分のグラスに視線を戻した。
口説くために近づいて来たのか、それともお説教でもするつもりなのか……。
でも……お願いだから放っておいて欲しい。
酔って全てを忘れたいのだから……。
今日私の身に起こった全てを……。
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