能あるイケメンは羽目を外す
「自分が望んだ仕事じゃないからね。息子に会社を継がせたいなら、翔馬でいいよね?何で今さら俺を呼んだわけ?」

「翔馬では駄目なんだ」

顔をしかめながら親父が言う。

「血は繋がっていなくても、書類上は親子。何の問題もないんじゃないかな?」

「社長の器ではないし、あれには問題がある」

「翔馬が不適格だから俺を呼んだんだ?だったら、あなたが経営者としてちゃんと翔真を育てればいいでしょう?それとも、あなたの力が及ばないほどあいつが好き勝手やってるとか?」

俺の言葉に親父は黙り込む。

図星か。それで俺を頼るなんてずいぶんと落ちぶれたんじゃないか。

俺が子供の頃は凄く厳格な人でもっと強そうな印象だったが、今の親父は……痩せて年を取ったせいか昔の面影をなくしている。

でも、年を取った……それだけだろうか。他に何か……。

「俺は社長にはならないよ」

俺は自分の主張を貫く。
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