能あるイケメンは羽目を外す
俺が部長に鋭い眼差しを向けると、こいつは俺から気まずそうに目を逸らした。

「……はい」

下手な嘘。相手を信じさせたいなら目くらい合わせろよ。

部長の態度に呆れながらも、それ以上は追及しなかった。

「そう?まあ、いいや。あとで、杉原にでも書類渡しといて。適当に判子押して副社長に回すから。下がっていいよ」

興味なさそうにそう言って、スマホを取り出しゲームを始める。

そんな俺にチラリと目を向けると、部長は一礼して部屋を退出した。

「ちょっとはやる気になったんですか?」

杉原がじっと俺を見据える。

「どうかな?そう言えば、うちの東上島のホテル、もうすぐオープンだったよね?楓連れて遊びに行きたいから三泊程予約入れてくれない?」

新しいホテルの現状を把握する必要がある。

それに、楓を一緒に連れていけば、いい気分転換になると思う。一石二鳥だな。
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