能あるイケメンは羽目を外す
片桐がいない場所に行けば、彼女も精神的に楽になれるんじゃないだろうか?

青い空にエメラルドグリーンの海を見れば、楓の心も癒されると思う。

「……私が「はい」と素直に返事をするとでも?」

杉原が冷めた表情で俺を見る。

「この流れでノーって言うなら、お前の能力を疑うね。俺の目的くらい察してよ」

横目で冷ややかに杉原に目をやって冷たく言うと、こいつは数秒考えて渋々了承した。

「……わかりました。スケジュールも調整しましょう。ですが、成沢さんを同行させる必要性を感じませんが」

「俺みたいな男がリゾートで一人なんて浮くだけだよ」

俺の言葉に杉原はまだ文句を言いたそうだったが、苦虫を噛み潰したような顔で譲歩した。

「……部屋は別々ですよ。その代わり、報告書を私に提出して下さい。ちゃんと仕事したのかその報告書で判断しますから」
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