能あるイケメンは羽目を外す
やはり爬虫類は苦手らしい。

俺はスケッチブックを机の引き出しにしまうと、楓の手をつかんだ。

「来週、沖縄に出張に行く。楓も一緒だから、今日仕事が終わったら水着でも買いに行こうか?」

「一緒に出張?」

楓は俺の言葉に目をぱちくりさせる。

「杉原の了解は取ってあるよ。楓が見張ってないと、俺ずっと遊んでここに戻らないかもしれないよ」

「杉原さんが同行すればいいじゃないですか?」

楓が可愛く俺を睨みながら反論する。

「杉原は秘書室長でもあるんだよ。俺のお守りだけするわけにはいかない。それじゃあ、楓を秘書室に配属した意味がないよね?これは業務命令だよ」

俺は楓に顔を近づけてニヤリと笑う。

「そんなあ」

楓は抗議の声を上げて、ガックリと項垂れる。

そんな彼女を見つめながら俺はクスッと笑った。

「楓、そこは可愛く喜ばないと」
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