能あるイケメンは羽目を外す
「何か企んでそうで素直に喜べないんですけど。部屋はもちろん別々ですよね」

「杉原はそう言ってたけどね」

でも、ホテル側が部屋の手配を間違えるのはよくある話だ。

俺は心の中でほくそ笑みながら、楓を安心させるためそう伝える。

楓に向かってにっこり微笑むと、彼女はホッとした表情になった。

「……良かった」

そんなあからさまに安心されると面白くない。

俺は顔をしかめた。

さっきは、片桐と一緒のところを見てしまったし、あいつが楓にちょっとでも触れたかと思うと心中穏やかではない。

楓はもう俺のものだ。誰にも渡さない。

男の本能を刺激されて、俺は目の色を変えて彼女を誘惑する。

「ねえ楓、さっきの続き、今しちゃおうか?」

悪魔のように微笑んで楓の瞳を捕らえると、彼女の瞳が揺れた。
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