能あるイケメンは羽目を外す
「……可愛くなんかないよ」

「残念王子は楓にとっては本物の王子なのかもね。専務は得たいのしれないとこあるけど、楓を守ってくれるなら何も言わないわ。専務室から戻ると楓、いつも怒ってるか、顔を真っ赤にしてるかのどちらかだもんね。この数日で、表情豊かになってきたし、いい傾向だと思う」

麗香が私の顔を見ながらにっこり微笑む。

……専務室から戻るといつもそんな顔してたのか。

「……いろいろと心配かけてごめんね」

「旅行もいい気分転換になっていいんじゃない?」

「ははは……専務に振り回される予感しかないんだけど」

私は苦笑する。

いろいろ陽斗に無茶振りされそうだ。

「振り回された方が余計な事考えるなくていいんじゃない?楓は考え込むと底なし沼に沈んだまま戻って来ないからね」

……反論出来ない。

私が顔をしかめて黙り込むと、総務の園田部長がノックをして入ってきた。
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