能あるイケメンは羽目を外す
「あれ、杉原君はいないのか?」

「専務とランチに行ったので、戻るのはギリギリかもしれません」

私がそう答えると、園田部長は私の方を見て柔らかな笑みを浮かべた。

「秘書室に慣れてきたようだね。意外と元気そうで安心したよ。陽斗くんから話を聞いた時は迷ったんだが、異動に同意して正解だったようだな」

陽斗くん……?

……異動を宣告された時も疑問に思ったんだけど……。

陽斗も園田部長の事「園田のおじさん」って呼んでたんだよね。

「あの……専務と部長って親しいんですか?専務の事名前で呼んでるし……」

「ああ。まあね。うちの会社がまだ小さかった頃、よく陽斗くんは亡くなった前の社長の奥さんと一緒に遊びに来てね。まだ彼は小学生位だったが、凄く聡明な子でね。顔も凄く整っていたし、社員にも大人気だった。書類の整理とか……よく私の仕事を手伝ってくれたんだよ」
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