能あるイケメンは羽目を外す
杉原さんが無表情でチラリと園田部長に目やると、その眼光に部長が若干怯んだ。

「あ……ああ杉原くん、君を待ってたんだ。来月の納涼会の事なんだが……」

部長の言いたい事を先読みして、杉原さんが無駄のない言葉で答える。

「幹部は予定してますよ。業者の方は去年と同じ趣向で良いなら、すぐに手配できますが」

「ああ……去年と同じで構わない。手配頼んだよ」

杉原さん相手に部長は緊張しているのか額に汗が滲む。

有能過ぎる部下を持つのも大変なのかもしれない。

陽斗の場合は……杉原さんを困らせてばかりだけど……。

「わかりました。携帯に連絡を頂ければ、お待たせする事はなかったのですが」

皮肉めいた杉原さんの指摘に園田部長は苦笑した。

「はははっ……。成沢くんの様子も見ておきたかったしね。みんなしっかりやってて安心したよ。じゃあ、みんな午後もしっかり頼むね」
< 146 / 286 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop