能あるイケメンは羽目を外す
「生憎、夏休みに入っていて満室となっております。プレミアムスイートでしたら空きがございますが」

「じゃあ、ツインルームをプレミアムスイートに変えてくれる?」

「かしこまりました」

「スイートなら部屋も広いし良いでしょ?」

「でも……ベッドが隣り合ってたら状況は変わらないんじゃ……」

それに……スイートルームだと最初に会った夜をどうしても思い出してしまう。

ひょっとして、これはホテル側のミスじゃなくて、陽斗が意図してやったんじゃないだろうか?

もしそれが陽斗の狙い通りなら、彼は相当意地悪だ。

「うちと変わらないよ。最近、何だかんだ言って一緒に寝てるでしょ」

ううっ……それ言われると強く反論出来ない。

「それは……私がソファーで寝ちゃって」

私の苦しい言い訳を「言わなくもわかってる」って目で私を見て、陽斗は軽く流す。

「いいから」

「でも……」
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