能あるイケメンは羽目を外す
「余計な事考えないの。楓は顔に出るからすぐわかるよ」

陽斗の指摘に私は項垂れながら、コーヒーをすすった。

「……はい」

陽斗の提案で手配してあったレンタカーに乗りドライブに出かける。

もう夕方の六時なのに外はまだ明るい。

雲一つない青い空、エメラルドグリーンの綺麗な海。

絵に描いたような綺麗な風景に、気分も明るくなる。

今まで経験した事のない非日常。

ずっとせわしない都会にいたから、全てが新鮮だ。

綺麗な砂浜が見えてきて、陽斗はその近くに車を停車させた。

黒のキャップ帽にサングラス姿の陽斗は、まるでお忍びの芸能人みたいに格好いい。

日差しが強いので私もサングラスをかけ日傘をさす。

二人並んで砂浜を歩く。

聞こえるのは波の音だけ。

綺麗な貝殻が落ちていて、私は屈んで貝殻を拾い上げた。

淡い紫の綺麗な貝殻。
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