能あるイケメンは羽目を外す
「家族だよ。同じ家に帰って、同じ物食べて、同じ時間過ごしてるんだから。まだ実感がないなら一緒にフォトフレーム作って二人並んで撮った写真家に飾ろう」

優しく微笑んで陽斗は自分の額と私の額を合わせる。

「うん」

私が笑顔を見せると、陽斗が嬉しそうに笑って日傘を拾い上げ私に手渡す。

「じゃあ、貝殻集めるよ」

ワクワクしながら私は屈んで貝殻を拾い集める。

どれくらい時間がたったのだろう。

拾った貝殻を持っていたハンカチにくるんで陽斗の方を向くと、彼はスマホで動画を撮っていた。

やけに静かだと思った。一緒に貝殻拾うんじゃなかったの?

「もしかしてずっと私を撮ってた?」

私の問い掛けに陽斗はにっこり笑って頷いた。

「まあね。子供みたいに目を輝かせながら貝殻拾う姿が可愛くて。いいのが撮れたよ」

「やだ。もう、それ消去して!」
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