能あるイケメンは羽目を外す
私が陽斗からスマホを奪おうとすると、彼はスマホを高く掲げてニヤリと笑った。

ジャンプして取ろうとするが、身長差がありすぎて届かない。

何度かジャンプをするうちにバランスを崩して私は陽斗の胸に飛び込んだ。

持っていた日傘は手から離れ、フワッと砂浜に転がる。

「きゃあ!」

勢いがつきすぎたのか陽斗と共にそのまま地面に倒れこんで、目の前には悪戯っぽく笑う陽斗の顔。

「俺を押し倒すなんて今日は積極的だね」

「……事故です!押し倒してません」

私は即座に否定する。

陽斗にからかわれ私の顔は一瞬にして真っ赤になった。

すっかり狼狽え陽斗から早く離れようと身体を起こそうとするが、彼が私の身体をぎゅっと抱き締めて離さない。

「陽斗……ふざけないで離して。日傘が海の中に入っちゃう」

「駄目。もうちょっとこのまま」

「陽斗……」
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