能あるイケメンは羽目を外す
小声で抗議するが、陽斗はきいてくれない。

「楓の心臓の音……凄いバクバクいってる」

陽斗が私の目を見てニヤリとする。

わざわざ動揺させるような事言わなくてもいいのに……陽斗は意地悪だ。

「もう、恥ずかしい事言わないでよ」

「落ち着いて」

穏やかな声で言いながら、陽斗はなだめるように私の髪を撫でる。

身動きがとれずそのまま陽斗の腕の中でじっとしていると、彼の規則正しい心臓の音が聞こえてきた。

この状態で平然としていられる彼が恨めしく思えてくるけど、彼の心音を聞いてると不思議と落ち着いてくる。

「う~ん、充電完了。ずっとこうしていたいけど、こんがり焼けてバーベキューになっちゃうしね」

茶目っ気たっぷりに言って陽斗はチュッと私の額に口づける。
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