能あるイケメンは羽目を外す
「結婚はまだだけど、一緒に住んではいるよ」

俺はメルの目を見ながらにっこり微笑んだ。

「……嘘」

俺の言葉がショックだったのか、メルは目を大きく見開いた。

「俺だってもう二十九だよ。好きな女と住んでたっておかしくないでしょ」

「でも……女なんて今まで本気で相手にしてなかったじゃない!」

「今まではね。でも……本気になれる相手に出会ったから。俺の話はいい。お前はどうなの?スティーブから捜索願い出てるけど。こないだもショーで揉めたって?」

「他の奴のデザインした服なんか着れないわ!」

「そんな我が儘ばっかり言ってちゃモデルの仕事も来なくなるよ」

優しくたしなめるがメルが反省する様子はない。

「ハルトがデザインした服じゃなきゃ嫌なのよ。いつイギリスに帰るつもり?みんなには一ヶ月で戻るって言ってたらしいじゃない!」
< 185 / 286 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop