能あるイケメンは羽目を外す
「違うわよ!」

「メル……ちょうどいい機会だと思う。もういい加減俺から卒業したら?メルが俺に好意を寄せてくれてるのは知ってる。でも、俺はお前を恋愛対象には見れないし、俺には楓がいる。お前の気持ちに応える事は出来ないよ」

メルの目を見据えながら俺は一言一句はっきり彼女に伝える。

冷たい男と思われても構わない。

変に優しくして未練が残ったら、それこそメルが可哀想だろう。

彼女の俺に対する気持ちは多分憧れだし……、これから生きていけばもっといろんな男性に出会えると思う。

「ハルトの馬鹿!」

今にも泣き出しそうな顔をしながらそう叫ぶと、メルは手で目を押さえながら走り去る。

彼女の後ろ姿が見えなくなると、俺は軽く嘆息してスマホを取り出しスティーブに電話をかけた。
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