能あるイケメンは羽目を外す
『どういう風の吹き回しですか?私に電話をかけて来るなんて』

「ちょっと東京の様子が気になってね」

『私はてっきり沖縄旅行を満喫してるのかと思いました』

杉原の皮肉を面白く思いながら俺は切り返す。

「動画でも撮って送ろうか?海凄く綺麗だよ」

『それは良かったですね。でも、動画は結構です』

冷たくそう言って杉原はきっぱり断る。

「それに、石垣牛美味しかったよ。お前に牛一頭買って送ろうか?」

俺が杉原をからかうと、杉原は苛立ちをあらわにした。

『遠慮します。それで、この無駄な会話、いつまで続けるつもりですか?』

「お前もつれないね。じゃあ、本題に入ろうか。社長は元気なわけ?」

『……今のところは』

杉原が珍しく言葉を濁す。
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