能あるイケメンは羽目を外す
でも、身体が辛いのか顔が青白くなっている。

私……相当嫌われてるな。

仕方なく立石さんと話してる陽斗のところに行って彼に声をかける。

「陽斗、メルさん船酔いしたのか気分悪いみたい。私が声をかけても駄目みたいで……」

「ああ、ごめん。ちょっと様子を見てくるよ」

仕方がないなって顔で陽斗はニコッと笑うと、メルさんの元に駆け寄って彼女に優しく声をかける。

ちょっと波が荒いし、今日は船が揺れて慣れてない人には辛いコンディションかもしれない。

私も酔い止めの薬を飲まなかったら、酔っていたかも……。

私はアイスクーラーから冷えたペットボトルの水を取り出し、メルさんの元に戻る。

彼女は吐き気がしたのか、船尾で苦しそうに身を屈めていた。

「陽斗、これ飲ませてあげて」

メルさんの背中をさすっている陽斗に水を手渡す。
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