能あるイケメンは羽目を外す
たいした関係じゃない……か。

何も言い返せない。言い返す自信が今の自分にはない。

陽斗は家族って言ってくれたけど、メルさんの言う通りかもしれない。

陽斗と出会って一ヶ月も経ってないし……。

私はまだ陽斗の事をよく知らない。きっと、メルさんの方がずっと陽斗の事をよく知ってるはず……。

二十分程経って陽斗達が海から上がってくると、メルさんが笑顔で陽斗を迎えた。

「ハルト、私、お腹空いちゃった。何か食べに行きましょうよ」

「具合は?」

ウェットスーツを脱ぎながら、陽斗はメルさんに目を向ける。

「吐いたら気分良くなったわ」

メルさんが陽斗の腕に手を絡めにっこり微笑む。

二人並んでる姿を見ると美男美女お似合いで、この場にいるのが苦痛に思えてきた。

「楓は大丈夫だった?」

陽斗が私に目を向ける。
< 199 / 286 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop