能あるイケメンは羽目を外す
2、彼女の忘れ物 ー 陽斗side
ピピピ、ピピピ……。

「ん……」

セットしておいたスマホのアラームが午前七時を知らせると、俺は手探りでサイドテーブルに置いておいたスマホを探してアラームを止めた。

そして、目を開けて気づく。

「……いない」

冷たいベッド。

彼女を抱いて寝たのに、彼女の姿はない。

昨夜の事は、夢でも幻でもなかった。

可愛い彼女の声も、彼女の肌の感触も……俺ははっきり覚えている。

予感はしていた。朝になれば楓はいなくなるだろうって……。

夢の中で 「ありがとう、陽斗」と楓が寂しそうな目をして言っていたが、あれは夢ではなかったのかもしれない。

気だるい身体に鞭を打ってベッドから起き上がると、カーテンをサッと開け腕を組ながら窓の景色を眺める。
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