能あるイケメンは羽目を外す
畳の席に座って、この店おすすめの沖縄そばを注文した。

骨付きの豚ばら肉が入っているそばを見てメルさんは顔をしかめる。

「こんなの絶対食べられない。ホテルに戻ってレストランで食べましょうよ」

「メル。我が儘もいい加減にしないと、イギリスに強制送還するよ」

「嫌よ!」

そばの入った器を脇に退けようとして勢い余ったのか器が傾いてスープが溢れた。

それは一瞬の出来事。

熱いスープが私の太ももに溢れて、私はその熱さに耐えられず叫んだ。

「熱い‼」

「楓!」

その様子を見た陽斗がすぐに立ち上がって私を抱き上げる。

「すみません。水道貸して下さい!」

幸い店の奥が住居になっていて、おばあさんに浴室を借りて水道水で患部を冷す事が出来た。
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