能あるイケメンは羽目を外す
「私で良かった。私なら痕が残ってもそんなに問題にならないけど、メルさんだったら大変だから」

私はモデルじゃないし、ちょっと痕が残っても生活するには何の支障もないと思う。

「俺が楓を嫁にもらうからって意味では問題ないね」

陽斗が私の目を見て悪戯っぽく笑う。

え?

不意に降ってきた言葉に私は目を丸くした。

「そこで固まらないでくれる?」

陽斗が私の顔を見てちょっと不満顔になる。

「だってそんな冗談言うから……」

「冗談かどうかはこれからじっくり証明していくから」

陽斗が私をじっと見つめるその眼差しは熱い。

私もドキドキしてきて、身体の熱が一気に上がる気がしてきた。

さっきまで気持ちが沈んでいたのに、彼が側にいてくれるだけでこんなに気持ちが浮上するなんて……。
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