能あるイケメンは羽目を外す
15、嵐の中で
「ねえ、こんなダラダラ過ごしてて良いのかな?」

今、私と陽斗はベッドの上でゴロゴロしながらアメリカドラマのDVDを観賞中。というのも、台風が石垣島に接近してこの東上島も今朝から暴風域に入り、ホテルから一歩も出れなくなったためだ。

朝から島一帯が停電で、ホテルは自家発電があるから客室は空調がきくけど、ホテルの内のレストランまではカバー出来なくて暗くてムシムシするレストランで朝食をとった。

「仕方ないよ。飛来物があるかもしれないから外には出れないし、ホテル内も探検するような場所は土産物屋くらいでしょう?それに、その火傷した足にあまり負担かけるのは良くないよ。医者もしばらく安静にって言ってたしね」

昨日、水道水で患部を冷した後、お店の人が島に数台しかないタクシーを呼んでくれて、そのタクシーに乗って島の診療所に向かった。

診療所の先生は手際よく治療してくれて大事には至らなかったけど、一緒についてきたメルさんはずっと無言だった。
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