能あるイケメンは羽目を外す
「俺は適当に時間を潰してるよ」

柔らかな笑みを浮かべ、陽斗はチュッと私の髪に口づける。

適当にって言ってるけど、何か仕事するつもりなのだろうか?

昨夜も私は先に寝たけど、陽斗はパソコンとにらめっこしてたんだよね。

杉原さんに約束した報告書でも書いてるのかな。

台風でホテルに缶詰めなんて経験、今回が初めてだけど自家発電設備があってホッとしてる。

台風で島の生命線であるフェリーは欠航して本当に孤島になってしまったけど、二、三日くらいならホテルの備蓄には何の問題ないし、私達が食事に困ることはない。

スッタフの対応はまだまだだけど……。

入り口で陽斗と別れると、私は受付を済ませて施術を受けた。

陽斗が予約してくれたのは二時間のコースだった。

アロマの香りに癒されながら背中と足を念入りにマッサージしてもらう。

凄く気持ちいい。このまま寝ちゃいそう。

女の子にとっては何とも贅沢な至福の時間。
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