能あるイケメンは羽目を外す
「……嘘。私ずっと熟睡してた?」

熟睡するのも無理もない。

「まあね。ちょっとは疲れ取れた?」

椅子から立ち上がって俺は上の棚にある手荷物を下ろす。

「……微妙」

「まあ、今夜はちゃんと寝かせてあげるから」

飛行機を降りて荷物を受け取りゲートを出ると、杉原が迎えに来ていた。

「親父の容態は?」

「今は安定していますが、仕事をするのは無理でしょう。本人はやると言い張ってますが、一昨日倒れてから入院してもらってます。副社長はいま北海道に出張でいませんし、奥様とは別居中で入院の事はしばらくは隠しておけるでしょう」

「そうか。お前がいてくれて助かったよ。取りあえず病院に行ってくれる?会社に戻るのはその後だ」

杉原の運転で途中杉原と仕事の話をしながら都内の大学病院へ向かう。
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