能あるイケメンは羽目を外す
多くを言わなくても、お互い何をしたいのかわかるみたいだし。

二人とも仕事が早いし、時間を無駄にしない。

「杉原さん、役員の日程や会議室は私が押さえますから」

私も頑張って二人を支えなきゃ。

スケジュール帳にいろいろメモすると、私は顔を上げて杉原さんに声をかけた。

「ええ。お願いします。会議の内容はまだ内密に」

メガネのブリッジを上げながら杉原さんがフッと微笑する。

「わかりました」

杉原さんの目を見て頷き専務室を出ようとすると、書類に目を通していた陽斗が顔を上げた。

「楓、今日も遅くなるから先に帰ってていいよ」

「はい」

ニコッと微笑む陽斗に微笑み返すと、私は専務室を後にした。

今日は夜の会食はない。

今の二人の様子だと、夕食も取らずに仕事しそうだ。
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