能あるイケメンは羽目を外す
出前でも取って後で部屋に持って行こう。

秘書室に戻り役員のスケジュールを押さえると、釜飯屋に電話をして出前を頼んだ。

時刻は午後六時。

「楓、今日は奈保は有給取って休みだし、戸締まりお願いしていい?」

メール処理を終えた麗香が、椅子から立ち上がり机の上を片付け始める。

「うん、大丈夫。任せて。今日も病院に行くの?」

「社長宛の郵便物が結構あってね。奥さまとはいま別居状態だし、身の回りのお世話もちょっとしてあげないと」

「そっか。麗香もあまり無理しないでね。私に手伝えることがあれば言ってね」

麗香も大変だ。

衰弱していく社長を見るのは辛いだろう。

社長の病気の事、一番に気づいたのは彼女なんじゃないだろうか。
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