能あるイケメンは羽目を外す
「ありがと。ねえ、沖縄で専務に一杯パワーもらった?最近の楓、頼もしい」

私の顔を見て麗香がフフッと微笑む。

「そうかな?」

麗香にそう言われると嬉しい。

「専務も凄く変わったけど、楓もね。二人一緒にいるとこ見るとお似合いだなって思うわ。専務が楓を見る目は凄く優しいしね。じゃあ、また明日」

麗香は荷物を纏めると、私に手を振って秘書室を退出した。

来週にはうちの会社は大きく変わる。

陽斗にとっては今が一番大事な時だ。

彼の足手まといにはなりたくない。

午後七時になり頼んでいた出前が届くと、専務室に差し入れた。

「今日はうなぎの釜飯ですよ。豪華でしょ?」

配膳をすると、釜飯の蓋を開けて陽斗に見せる。

鰻の香ばしい匂いに陽斗もご満悦だ。

「ありがと、楓。美味しそうだね。楓も仕事の切りが良いとこで帰っていいよ」
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