能あるイケメンは羽目を外す
「あともうちょっと仕事したら帰ります」

ご飯をよそって二人に手渡すと、私はにっこり微笑んだ。

普通のお弁当は飽きるだろうし、釜飯なら美味しく味わえると思う。二人とも仕事漬けだし、ちょっとでもいい気分転換になるといいな。

「食べ終わったら器は秘書室に戻せば良いですか?」

すでに食べ始めている杉原さんが私に目を向ける。

「内線頂ければ下げますよ。ポットに出汁が入ってるので、お茶漬けみたいにして楽しんで下さいね」

「わかりました。助かります」

杉原さんが柔らかな笑みを浮かべる。

自分にも他人にも厳しい人だけど、こんな風に笑う人だなんて思わなかった。

彼のファンが見たらきっと喜ぶだろうな。

「あのう、聞いていいですか?杉原さんって入社した時から総務部なんですか?」
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