能あるイケメンは羽目を外す
残酷な光を宿したその目で章介は私を見下ろす。

このままだと襲われる‼

私は身の危険を感じて後退りするが、彼は私の腕を引っ張って乱暴に引き寄せた。

「痛い!」

腕が引きちぎられそうだ。

どうすればいい?助けは呼べない。

午後七時を過ぎてるし、社内に残っている社員も少ない。

上りのエレベーターがすぐに止まる可能性は少ない。

「馬鹿か?ここにお前の逃げ場はない。大人しくしてればいいんだよ!」

章介が私の髪を強くつかんで、荒々しく私の唇を奪う。

イヤ!このまま襲われるなんてイヤ!

私は章介の下唇を思い切り噛んで反撃した。

「いてっ!」

章介が呻いて私から離れる。

彼の唇は血で滲んでいた。

章介は唇を手で拭い、手についた血にチラリと目をやると、私をギロッと睨み付けて私を罵倒した。
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