能あるイケメンは羽目を外す
他の奴が楓を……と考えるだけでもゾッとする。

一晩だけの関係……それは彼女が望んだ事で、彼女が勝手に決めたルール。

だが、……俺の望みは違う。

一晩だけで終わらせる気はない。

逃げられてしまったが、ホテルのブライダル部門の人間に聞けばすぐに楓の事は見つけ出せるだろう。

成沢楓……という名前が偽名だとしても……。

結婚式の当日に式をキャンセルしたカップルなんてそうはいないはずだ。

俺はスマホで部下の名前を呼び出し、奴に電話をかける。

『自宅に帰らずにどこにいるんですか?まさか、夜遊びが過ぎてまたホテルに泊まったなんて言うんじゃないでしょうね?』

開口一番にお説教。ほんとこいつはいい性格をしている。

杉原玲司は俺の秘書だ。

こいつの事は小学生の頃から知っている。二歳年上の俺の先輩。
< 25 / 286 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop