能あるイケメンは羽目を外す
俺の言葉に楓は小さく頷く。

「ちょっと専務室に行ってくる。すぐに戻るから待ってて」

楓の髪をすいて彼女の髪を整えると、彼女の頭に軽く口付ける。秘書室を出て専務室に入ると、杉原が片桐と対峙していた。

「待たせて悪かった」

杉原に声をかけると、俺は専務室の椅子に腰かけた。

「じゃあ、君の今後の話をしようか?俺の忠告を無視して彼女に手を出したんだ。覚悟は出来てるよね?」

机の上で手を組み、俺は片桐を冷たい視線でじっと見据える。

「選ばせてあげるよ。俺に警察に突き出されるのとうちのアメリカ支社に行くの、どっちがいい?」

「良いのか?俺が警察に捕まって困るのはそっちだろ?楓にいろいろ今日の証言をさせるのか?」

片桐が俺を見てせせら笑う。

俺を脅すつもりか?

こいつなら言うと思った。
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