能あるイケメンは羽目を外す
「いいんですか?懲戒解雇した方が良かったのでは?」

「逆恨みされては困る。今は遠くに飛ばして、監視しておく方が安全だ。日本に戻す気はないけどね」

俺は企み顔で微笑む。

片桐には衛星のように日本の周りを回ってもらうさ。

ポストなんか用意しない。それに、絶対に楓には近づけさせない。

「そのうち南米の僻地に飛ばして、俺を怒らせた事を後悔させてやるよ」

「全ては成沢さんのためですか?」

「お前もさあ、仕事ばっかりじゃなくて、大事な女見つけたら?そしたら俺の考えが理解できるよ」

「大事な女……ですか?私には縁のない話ですよ」

杉原はフッと自嘲するように笑う。

「そうかな?まあ……いい。俺は楓を守るためなら悪魔にでも修羅にでもなるよ」

「その覚悟。仕事にも生かしてくれるといいですが」
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