能あるイケメンは羽目を外す
何があったか聞けないが、エレベーターの密室の中、逃げ場がなくてどんなに怖い思いをしただろう。

法律が許すなら片桐を八つ裂きにしてやりたい。

絶対にもう日本の地は踏ませない。

俺はシャワーを止めると、バスタオルを取り出して楓の身体をくるんだ。

「楓は汚くなんかないよ」

楓の首筋に軽くキスをすると、今度は彼女の目を見つめながら唇に優しく口付ける。

片桐のアホのせいで楓が男性恐怖症になってないか気になった。

「俺が怖い?」

「……陽斗は怖くない」

楓の言葉にホッと胸を撫で下ろすと、俺はバスタオルの上から彼女の身体をそっと抱き締めた。

「ここにいれば大丈夫だから……あいつの事は忘れていい」

「陽斗……私……無力だった。もっと強くなるって決めてたのに……何も出来なかった」
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